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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2025/09/29 

Vol.612 「筋肉痛考」

執筆 院長 小林真哉

最近身をもって感じていることがあります。
トレーニングの後の筋肉痛が早く訪れるのです。
にわかに筋トレ・運動を始めたばかりの内科医の私は筋肉痛についてはそれほど詳しくもなく、
一般的な『年齢と共に筋肉痛が出現するのが遅くなる』と言う話を鵜吞みにしておりましたし、
3か月ほど前より始めた筋トレでは明らかに48時間後に半端ない筋肉痛出現に苦しんでいました。
それが今では、12時間から24時間以内に出現するようになったわけです。
このメカニズム追求しないわけにはいきませんので少々掘り下げてみます。

そもそも、筋肉痛には、運動している最中に筋肉に乳酸が蓄積することが原因で発生する「現発性筋肉痛」と、
筋肉が引き伸ばされる伸張性収縮運動による筋肉の損傷が原因の数時間~数日後に発生する「遅発性筋肉痛」の2種類があります。
一般的に「筋肉痛」と言うと、後者の遅発性筋肉痛を指します。
更には、筋肉にかける負荷が大きいほど、強い筋肉痛が短い時間で発生すること、
負荷が小さい場合、筋肉痛はゆっくりとやってくるとされています。
筋肉痛の発現が遅くなるのは、年齢よりも「普段どれだけ筋肉を使っているか」などの要因が大きく、
筋肉痛出現に時間差があるのは、加齢による身体機能の低下の要因よりも「運動の習慣」の個人差が大きいようです。

運動で筋肉内に乳酸が溜まると筋繊維の滑りが悪くなり、熱を持つため、炎症を引き起こすと考えられ、
修復する過程で炎症反応が生じ筋肉痛と認識されます。
普段から運動している方は、体の細部に栄養や酸素を運ぶ毛細血管の発達が見られ、
溜まった発痛物質を老廃物として速やかに排出できるので、運動習慣がある人は、
年齢に関係なく筋肉が適応し、代謝や血流も良好に保たれるため、筋肉痛が遅く現れることが少なくなります。

結局、普段からの運動習慣は健康寿命の延伸に繋がり、若返りに繋がるのです。もちろん、
『言うは易し、行うは難し』であることは重々承知です。

ただ皆様! 誰のためでもありませんよね! もちろん!
『過ぎたるは及ばざるがごとし』
『のど元過ぎれば熱さを忘れる』もご留意くださいな!
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