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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2025/11/06 

Vol.621 「雅な会(狂言編)」

執筆 院長 小林真哉

『早川先生の赤ひげ受賞のためにお祝いの狂言を足助で舞いたい方がいる』なんとも雅なお申し出が知り合いの先生からありました。
知り合いの狂言師の方に赤ひげ大賞のことをお話したら是非に会いたいということになり、
そのうえで狂言も演じたいとのことで、当然、後継者は同席でということになりました。

私自身は能や狂言に造詣が深いわけではありませんが、豊田市には素敵な能楽堂がありますので観劇したこともあります。
予習不足もあり十二分に理解できなかった記憶です。
かつてのコラムを思い起こしてみますと、2020.6.29のコラムVol.117 そろりそろりで触れており、
『皆さん、“そろり、そろり”のフレーズは狂言の世界の言葉であり、お笑い芸人のチョコレートプラネットの芸でもご存じだと思います。
意味的には、静かにゆっくりと動作が行われるさま・すべるようになめらかに動くさまを表現する言葉です。
緊急事態宣言も明け、他府県への移動も解除され、今後、海外との往来も解除されていくことでしょう、
行政の制限解除はまさに“そろり、そろり”だなと思います。』
と書き出していて、コロナ禍真っ最中の記載だったのを想起しました。

今日はその時期には曖昧であった狂言について再勉強してみます。
まずもって、皆様、能と狂言の違いはお判りでしょうか?
そもそも能は室町時代に成立し、特徴的なのは面をつけて謡と舞踊で表現して題材に悲劇が多いとされる芸術です。
一方、狂言は喜劇が多く、能の合間に演じられ、面をつけず話し言葉で庶民の生活を面白おかしく描く芸術です。
能楽に携わる能楽師のうち狂言を演じる役者が「能楽師・狂言方」で一般的に狂言師と言われます。
狂言は対話を中心としたせりふ劇で、言葉やしぐさによって表現され、庶民の日常や説話などを題材に、
人間の習性や本質をするどく切り取って「笑い」に落とし込む芸術のようです。少し、スッキリしましたか?

さて雅な会の当日ですが、気温40℃に迫る中、私も含めて個性豊かなメンバーが集まりました。
挨拶・自己紹介の後は、演目:鬼瓦で舞っていただきました。
能楽についての事前の解説もありとても雅な会となりました。
その後は、鮎を頂きながらの楽しい懇親会となりました。

芸術の秋と食欲の秋を共に堪能した素敵なひと時を赤ひげと雅な人々と共有することができました。

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