MENU
green

足助病院コラム

Asuke Hospital column

2019/04/22 

Vol.7  「188歳と170歳」

執筆 院長 小林真哉

188歳と170歳 一体なんのことでしょうか?188歳は、私の外来に自立して通院している老夫婦の方です。ご主人は95歳、妻は93歳で合わせて188歳の健康な高齢者さんです。
170歳は、介護者が70歳で被介護者が100歳の親子の私の外来に通われている患者様です。まさに 今後日本が向かっていく、超高齢化社会の縮図ではないでしょうか。

日本の男性の健康寿命は72.14歳、平均寿命は80.98歳です。そして 女性の場合は74.79歳で87.14歳です。
つまり、男性では約9年間 女性では約12年間 不自由な生活を強いられる可能性があるわけです。

医療技術・救急救命技術の発展に伴い、平均寿命は更に延びると思われます。
人生100歳時代と銘打って、健康・お金のマニュアル本が多く出版されております。そのような社会状況の中、私共の活動は健康寿命を少しでも伸ばしていくことだと考えています。
地域の方々に講演させていただくときにお話することは、食事:主に内科的疾患に関与、運動:整形疾患、興味を持つこと:認知症等の疾患に留意して生活していただくことが大切と・・・そしてそれぞれの要素が全て80点である必要はありませんよと。それぞれが60点以上の合格点であることが必要ですと。
つまり、2つが90点でも一つが30点では、よろしくないのですよと。個々がそれぞれ、自立して健康であることは、個々人が幸せであり、家族が幸せ(介護等の負担が軽減される)、社会が幸せ(ご本人の笑顔と社会保障費の節減につながる)になるのだと。
皆さんも188歳と170歳は他人事ではありませんし、少し周りを見渡してみれば、近い人がいるのではないでしょうか?

皆様も、食事(一汁三菜、和食)・運動(一日10000歩)・興味(趣味を持ち、多くの人と触れ合い、新しい発見をする。)を三位一体で見つめなおしてみませんか?
始めるのに年齢は関係ありませんよ、若かろうが年齢を重ねていようが。
コラム一覧へ戻る