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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2026/09/18 

Vol.274 「へき地医療研修を終えて」

執筆 研修医・医学生の皆様

名古屋市立大学病院 研修医 川安

1.へき地医療研修で楽しかったこと、思い出
 患者さん一人ひとりにゆっくり向き合えた時間が本当に心に残っています。
訪問診療では、その土地ならではの思い出や季節の話を穏やかに語ってくださり、医療という枠を超えて「人と人がつながる瞬間」に触れられました。
丁寧に時間をかけて関係を築くことで、患者さんの生活の背景が自然と見えてきて、診療がより深く、温かいものになっていく過程がとても楽しかったです。
へき地ならではのゆったりとした時間の流れが、私自身の医療観を優しく広げてくれた研修でした。

2.後輩研修医に是非伝えたいこと
 へき地医療への興味が薄い、重症患者を診ることこそが成長だという考えの人が多いと思われます。
自分もその一人でしたが、この地域研修を通じて、その価値観は間違っていたと思いました。
患者さんの生活環境まで踏み込んで診療する難しさと楽しさがあり、患者さんの温かさに触れることで医療の本質を深く理解できる。
地域研修の経験は、病院では得られない「暮らしを支える医療」の視点を与えてくれました。
後輩には、地域研修を単なるローテーションではなく、自分の医療観を広げる貴重な機会として大切にしてほしいです。

3.へき地医療(地域医療)に対する考え方の変化又は感想などあれば記載ください。
 足助病院で訪問診療に携わる中で、地域に根ざした医療は「患者さんの生活そのものを支える営み」だと強く実感しました。
外来の診察室では見えない患者さんの生活環境を実際に訪問して知ることで、服薬状況・家屋構造・家族の支援力・移動手段など、健康を左右する要素が十分に理解でき、それらを考慮したうえでの診療は非常に大切であると気付きました。
訪問診療は単なる「医療提供」ではなく、地域の暮らしを守るための継続的な支援であり、医療者としての視野を広げてくれる場でした。

4.地域住民・患者さん・職員へのメッセージ
 研修を通じて皆さんの人の温かさに触れたことが何よりの学びでした。
診察・訪問のたびに元気のよい挨拶と笑顔で迎えてくださり、生活の工夫や日々の思いを共有してくださったことが、医療者としての視野を大きく広げてくれました。
患者さんが自分らしく暮らす姿を支える診療の楽しさと奥深さを実感し、この地域で得た経験は必ず今後の医療に活かしていきます。
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