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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2019/05/10 

Vol.4 「医学生が考える『10~20年先の医療の中で医師として重要となるスキル』」  名古屋市立大学医学部 高度医療教育研究センター 高桑 修

執筆 研修医・医学生の皆様

昨年の夏休みに名市大BRJ(前回のコラムを御覧ください)の学生と足助病院で研修させて頂いた際、学生にはいくつか課題をもって参加してもらいました。
その中の一つが「自分たちが活躍する10~20年先の医療の中で医師として重要となるスキルについて考えてみましょう」で、足助病院後に考えの変化や新たな気づきについてディスカッションしました。
見学前には“情報技術(IT)や人工知能(AI)といった先進技術の活用”が主体でしたが、足助病院で研修をさせて頂き、これからの医療の中で医師としての備えるべき本質的なプロフェッショナリズムとは何だろうか、と立ち止まって考える機会となり、社会における医師の役割についても新たな気付きがあったと思います。
また、学生Iの“地域だからこそ最先端をいく”という言葉も足助病院で見学させて頂いたからこその視点に感じられ印象的でした。
大学病院での実習では得られにくい貴重な学びの機会を与えて頂き、足助病院の皆様に心からお礼を申し上げます。

(以下、“見学後”の学生意見です)

学生I:「 AIが発達し医療にも大きく貢献するようになっていると思うが、その時に医者がプロとして人として何をするべきでしなくてはいけないのかを考えていかないといけないと思います。人同士のコミュニケーションや患者から話を聞く能力、直感のようなものが今後必要になってくると思います。また地域においては地域だからこそ最先端をいき、積極的にITを導入していくことも重要だと思いました。」

学生H:「患者に信頼される医師となること。そのために患者やその家族に必要な情報を提供し、その中で患者ごとにベストな治療を疾患だけでなく性格や環境などから吟味して推奨できるようになる。」

学生N:「今後2025年問題や2035年問題に取り組むため、医療介護福祉制度が変わると考えられる。それにともない、医業だけでない事務作業も今後さらに増えると考えられるので知識を持っていることが必要である。」

学生T:
・患者が自分で治療方針を決められるように情報提供をする
・人工知能では満たされない人間同士の心のやりとりやコミュニケーション能力、信頼関係を築く
・人工知能にとってかわられることのない外科的手技
・患者の生活に寄り添う治療プランの提案
・予防という意識を持ち、医療費の使用にも気を配る

学生M:
・高齢化社会において、全人的な診療が必要。病気を治すことだけを考えるのではなく、その人の幸せを第一に考え、どんな医療が必要なのか考える。
・予防医療の提供
・高齢者はさまざまな分野の病気を持っているため、自分の専門分野だけでなく、ほかの分野に異常があった時にも対応できる知識や技術。
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