足助病院 事務管理室
8月22日・23日の二日間に渡り、足助病院では名古屋市立大学・愛知医科大学・藤田医科大学の医学生さんをお招きし、合同研修を開催しました。
それぞれのカリキュラム・年次に応じた研修・見学内容となりましたが、合同実習の中で全ての医学生さんに「実習で最も印象に残った場面」というテーマで感想を書いていただきました。
今回はその一部をご紹介します。足助病院で研修をお考えの学生の方、研修医の方にとって参考になればと存じます。
医学生Y 「言葉のキャッチボール」
耳の遠い患者さんと話す際に耳元で大きな声で話すシーンが印象的であった。
患者さんのほとんどが80歳以上であることに驚いた。さらにこのような高齢の方が自分の足で通院していることに驚いた。
症状に対する認識のすれちがいを防ぐためには、声のトーンや距離の取り方が重要なんだと感じた。
今回は内科の診察を見学させていただいたが、患者さんは内科以外の疾患についても相談していた。話しやすい雰囲気作りが大切と思った。
医学生I 「医師を育てる」
NSTカンファで、医師・管理栄養士のスタッフが相談し、食の形態や嚥下様相評価について議論している場面が印象的であった。
医師とコメディカルの距離が近く、患者さんに対して真摯に向き合っていた。
大学病院では医師とコメディカルの距離感が遠く、一緒になって相談するといった場面になかなか出会わなかった。
コメディカルスタッフが目的意識を持って、様々な取り組みを行っていると思うが、大学病院では距離感のためかその思いを感じることが少なかった。
実際には、医師一人で診察する訳では無く看護師・コメディカル・事務の方々が一人の患者さんに関わり、入院から退院までそして退院後の生活まで相談に乗り、生活が成り立っているのではないかと思う。
患者さんやコメディカルスタッフから教わることがとても多い病院であった。
医学生S 「老々介護」
80代の女性が外来を受診された際、痛み止めを希望された。しかし既往に胃潰瘍があるため、副作用のないものを希望された。
胃潰瘍の原因は108歳の義母の介護だという。それを主治医に話したら、足助病院介護医療院にその義母を入院させてくれたと明るく話すその女性は、とても80代には見えなかった。
自分のイメージする「老々介護」は70~80代の夫婦間によるものであったが、まずそのイメージを壊された。
そして自分が介護される側であってもおかしくない高齢の女性が、とても元気に愚痴を言っている姿が「高齢者」のイメージからは程遠く、とても輝いて見えた。