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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2022/07/29 

Vol.82  「へき地医療研修を終えて」

執筆 研修医・医学生の皆様

愛知医科大学病院 研修医

1.へき地医療研修で楽しかったこと、思い出
特に印象的だったエピソードとしては、100歳を超える母親を自宅で介護されている娘さんのお話でした。
暑さのためか食が細くなってきてしまった母にシュークリームやお饅頭を渡したらあっという間に食べてしまったという話を面白く話してくださいました。
そのほかにも、ほとんど話すことのできない母親の面白いお話をたくさんしてくださいました。自宅療養・介護は家族と一緒に家で過ごすことができる反面、介護されるご家族の負担は大きく、辛いというイメージが強くありましたし、その方も苦労はされていることと思いますが、素敵な笑顔で介護されていたのがとても印象的で、お話もとても面白かったです。


2.後輩研修医に是非伝えたいこと
足助病院では専門科を越えて様々な患者さんを診ている先生がたくさんいらっしゃいます。人間を全人的に見るスペシャリストだと感じました。これから研修される先生方におきましては、志望する科だけでなく、いろんな科の患者さんを見ていただけたらなと思います。また、普段あまり目にすることのない疾患として、マムシ噛咬の処置や治療を経験することができたことは個人的にとても勉強になりました。
今後すぐに使う知識ではないと思いますが、今後の医師人生において、いつか必要となるかもしれません。そういったことを一度経験できたことは自分にとって財産になると思いました。
また、病院内だけでなく、時間があるときには少し病院外に出て足助という地域に触れることもとても大切だと思うので、ぜひ楽しみつつ研修されるといいと思います。


3.へき地医療(地域医療)に対する考え方の変化又は感想などあれば記載ください。
研修前は、地域医療というと、医療資材や人材がやや不足していて、慢性期・終末期の患者さんを工夫して見られているというイメージでした。今回研修させていただいて、確かに、慢性期・終末期の患者さんを見る医療中心ではあると思いましたが、1人1人の患者さんをかなり多くの職種・立場の方が見ておられて、手厚くサポートが行き届いていると感じました。足助病院をはじめ、地域のネットワークでこの地域の方々を支えている、かかわりの深さや丁寧さに感銘を受けました。
普段の急性期病院では、患者さんとその背景を見ようと努力はしますが、その方の実際の生活や家族・地域の人とのかかわりまでは当然見たことはありませんでした。患者さんのことを把握したつもりになっていたのかもしれないと感じました。実際の急性期病院では確かに難しいことではありますが、自分が見ている患者さんのことを理解したと勘違いしていたのだと、自分の驕りに気が付くことができました。

4.地域住民・患者さん・へき地で働く職員へのメッセージ
足助病院を見学させていただき、多くのスタッフの方が疾患を見る医療・介護ではなく患者さんをみる医療・介護をされていると感じました。
また、まだまだ未熟な私たち研修医に対しても大変親切にしていただきありがとうございました。4週間という短い期間でしたが、この学びを今後も活かしていきたいと思います。
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