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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2019/05/10 

Vol.6  「看護師さん」  知多厚生病院 企画室長 田實直也

執筆 外部の皆様

私は足助病院と同じ厚生連に属する知多厚生病院というところで事務職として働いています。
普段は、病院で働いていることもあり、医学的な知識は一般の方より多いと自負していますが、それでもいざ患者や患者家族となると、病気に対する不安は拭い去れません。
そんな時に、心にそっと寄り添い、助けてくれるのはいつでも看護師さんたちです。

ある日、私の家族が重度の病気に罹患しました。それは命にかかわる病気であり、たとえ命が助かったとしても、長期入院は避けられない状況でした。
突如家族から連絡をうけて駆け付けたのは、転院先である名古屋市にある大きな病院でした。
その時はすでに本人にも病状が伝えられ 、これから起こり得る状況に不安を隠せないまま、私の家族はベッドに横たわっていました。
その傍らでは、看護師さんが、これまでの病歴など入院時の基本情報を聞いていました。
淡々とそしてテキパキと本人から事情を聴き終えた後、看護師さんは静かにその場を立ちました。

看護師さんは扉前まで来て一礼した後、ふと、ベッドでうなだれる私の家族に一言発しました。
「そういえば・・・、●●さんの座右の銘は何ですか?」
それまで聞かれていたこととは全く異なる質問に、私の家族は思わず顔を上げ、
「私の座右の銘は・・・、最後まであきらめないです」と言いました。
「いい言葉ですね。ありがとうございました」と言い、看護師さんは退出されました。
あとから聞いたのですが、私の家族はその言葉を思い出し、何とか頑張ろうという気持ちがみなぎったそうです。
そのおかげもあり、私の家族はなんとか一命をとりとめ、病状は快方に向かっています。
しかし、その裏には、病院の多くの方々の努力と思いやりの言葉があったからこそと思います。

「看」という字は、目の上に手をかざす様から成り立っています。
きっとあの看護師さんもしっかりと本人の病状を看ながら、適切な言葉を探してくれたのでしょう。
仕事とはいえ、頭の下がる気持ちでいっぱいです。
でも、看護師さんたちだって、日々つらいことはきっとあると思います。
看護師という職は、本当に大変な仕事です。白衣の天使とはいえ、生身の人間です。だからこそ、私たち患者からも看護師さんへの声掛けが必要と感じています。
皆さんからも一言声かけしてみませんか?「看護師さん、いつもありがとうございます」と。
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