電子カルテを導入する中で、電子カルテにある患者情報を、連携する医師、施設の看護師、ケアマネージャに公開するという方針を示し、
公開の承諾は当然、本人から得て、誰に公開するかも決定しました。
どこまでのデータを公開するのかを、公開する人たちと議論しました。
医師、看護師に患者情報をすべて公開することは、病院内で簡単に承諾されましたが、 ケアマネージャへすべてを公開することは一部の医師から反対意見が出ました。
カルテ内容には血液検査やCTなどの画像といういわゆるデータや処方箋内容がありますが、医師の記録や看護師の記録も含まれています。
その中には医師の患者さんの病気への考え方や治療方針が含まれています。
それは医師のものであり、その中身をあまり見られたくないという料簡でありました。
忙しい中で記載された内容は、言葉足らずになりがちで、読む人によって間違った解釈をされる可能性があるとの心配でした。
一方、情報公開を受ける側は、すべてを観たいと言われていました。
生のデータ、処方箋よりも、医師のアセスメントと治療方針を知りたかったのです。
情報公開の始めでしたので、ケアマネには医師や看護師の記録は公開しないということで開始しました。
(この患者情報の公開と連携をすることで厚労省からの1億円の補助金をいただくことができました。)
さて、患者情報の公開を始めて課題としてあがったことは、
見る側(ケアマネージャ)から、
1) 参照できる医療情報が少ない(医師の記録:アセスメントや治療方針がない)
2) 参照できる検査データや画像、処方の中身が理解できない
3) 言葉が理解できない
見せる側(主に医師から)から、
1) 情報公開する相手経歴がわからない(看護師かヘルパーさんか)
2) 提供するばかりで相手から得られるものがない
というものでした。
つづく...