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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2021/05/26 

Vol.112  「講演 ~その1~」

執筆 名誉院長 早川富博

立場上、いろいろな方から講演を頼まれます。
小さなサロンでの話から医学部学生への講義まで、対象が様々ですので難しく話すこともあります。
なるべく平易な言葉で話すように心がけています。
平易すぎて駄洒落風になってしまうこともあります。
一応、医師ですから、まじめに話をしますが、まじめすぎると聞いてる人々は退屈します。
時には笑いをとるような内容にすることもありますが、これが受けないと、すなわちスベルわけです。
悲しいですね、難しいですね、すべらない話は。
しかしスベッテも知らんふりをしていれば解らないのです。

一方、毎年、講演を依頼される会があります。
老人グラブ主催の会議です。
今は高齢者クラブといいます。
高齢者を対象に話を1時間近くするのですが、長いですね。
しゃべる方も聞く方も大変です。
小学校の授業でも40分です。
集中力が続きません。
高齢者の方々のためになる話ですから、健康にまつわる話になります。
健康維持には、食べること、運動すること、人としゃべること!などを題材に話します。
しかし数年続くと、同じ内容ではいけないと考え新しいスライドを用意します。

ある日、小生が「大変なんだよ」と外来にみえた御老人にぼやくと、
「先生、年寄りはすぐ忘れるから、毎年同じ話でも問題ないよ!」と。
これはすべらない話でした。

つづく...
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