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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2021/06/30 

Vol.117  「草刈り」

執筆 名誉院長 早川富博

地域のお困りごとを数か所の集落で調査しますと、第一位はやはり獣害。
次に「草刈り」、お役が多い、などがあげられます。

患者さんに聞きますと、草刈りは年4回するとのこと。
春から冬前まで半年で4回になりますから2か月ごとですね。
草刈りで田舎の美しい景観が保たれます。
畦道、ボタだけでなく、県道・市道の草刈りもされると聞いています。
草刈り機のギューンという音が鳴り響く暑い日を想像するだけで汗が出てきそうです。

80歳近いご婦人から、「草刈り機にオイルを満タンにして、それが無くなるまでは草刈りします」
というお話を聞いて頭が下がる思いです。
過疎で高齢の方が多くなった集落では、お互いに助け合って草刈りをすることもできなくなっているようです。

昨秋、知り合いの福祉団体の方々から、草刈り応援の提案をいただき、上八木・山中、大多賀で実施されました。
手が足らない集落へ、市街地の人々が手伝いに来ていただき、双方が喜ばれることが解りました。
当然、実施の前には細かな打ち合わせがもたれました。
ボランティアで行われるので、下心がないことや地域の受け入れられる気持ちも大事にして、話し合いがされました。

草刈りは景観を維持するだけでなく、イノシシ、鹿、サルなどの侵出を防ぐ一つの手段と言われます。
人の身長以上になったススキに覆われた耕作放棄地は、イノシシの遊び場や住処になります。

他地域の人々を巻き込んだ「草刈り支援隊」の編成と地域の人々との連携をこれからも進めていきたいと考えています。
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