持続可能な地域を目指すには、エネルギーの地産地消だけでなく、食の地産地消も重要です。
しかし、ここで考えなければならないことがあります。
食料の地産地消を考える前に、食料の季節性、地域性を考える必要があります。
今、美味しいイチゴは何時でも食べられます。
夏野菜であるきゅうり、ナスも冬場のサラダ、マーボーナスの料理に出ます。
そのために温室で重油が焚かれてCO2排泄がされています。
人には、ちょっと早い時期に食べたいという欲望、珍しい食材を楽しみたいという欲望があるので、温室の中で育成された早生の果物は高く売れるのです。
地域性からみれば、フロリダ産オレンジが遠い日本に運ばれて店頭に並びます。
バナナも同じです。
輸送に時間とお金と油がかかっています。
小生が子供の時に、バナナが食べられるのは病気の時だけでした。
半世紀の間に、世界中の美味しいものが日本のどこでも食べられるようになりました。
人の要望には際限がありません。
「人新世」という言葉があります。
人類が地球の生態系に与えた影響に注目して提案されている時代の定義として提案されたものです。
その特徴は、地球温暖化などの気候変動、大量絶滅による生物多様性の喪失、人工物質の増大、化石燃料の燃焼や核実験による堆積物の変化などがあげられ、人類の活動が原因とされています。
人類の発展は、その欲望が原点であるとすれば、これを放置続ければ、地域だけにとどまらず、地球規模で環境を激変させることになり、持続可能な社会は望めないでしょう。
欲望のコントロールと寛容、それに相互扶助(支え合い、たすけあい)の精神がより大事な時代となってきました。