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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2022/04/06 

Vol.156  「『恐怖』について①―戦争」

執筆 名誉院長 早川富博

恐怖・恐れ。
それを感じることで人は支配・コントロールされます。
脅し、脅迫で人は恐怖を感じ、強制的に好ましくないことも受け入れざるを得ない状況となります。
今現在進行しているロシアのウクライナへの軍事進攻は、ウクライナ市民の意欲を喪失させる究極の恐怖です。
恐怖を与えることで得られるロシアへの従順は、真のものではありません。
専制政治体制の国は、恐怖によって人々を支配します。
ウクライナ進攻戦争に反対するロシア国民も、自国政府からの恐怖でその意見を封じ込められています。
暴力や恐怖によって人々をコントロールしようとすることは単純ですが、人々の真の同意は得られません。
人々は見せかけで従うふりをし、支配する人も力を持っているが、いつ人々が離反・反抗するかという不安の中で過ごしているのでしょう。
このように、国民による民主的な合意のない政権は常に不安を持ち、その裏返しでより強権的になり結果的に専制主義となります。
今のロシアはまさにこの状況が起こっています。さらに情報をコントロールされると、人々は一定の考えに偏っていきます。
情報の開示が常に重要です。プーチンという専制主義者はロシア国民を情報と恐怖でコントロールしています。
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