MENU
green

足助病院コラム

Asuke Hospital column

2022/04/13 

Vol.157  「『恐怖』について②―情報コントロール」

執筆 名誉院長 早川富博

前回は専制主義者が恐怖と情報のコントロールによって、人々を支配することを書きました。
情報のコントロールこそ本当の恐怖かもしれません。
毎日見ているテレビからウクライナの情報が流れます。
どの番組を見ても同じ切り口の解説しかありません。本当にそうなのか? 常に疑問をもって臨む姿勢が大事です。
NHKが放送しているから正解とは限りませんね。
政府の発表に対して反する内容の報道は出来ない制度になっています。放送許可権を握っているのは政府ですから。
情報を広く得るためには、マスコミだけでなくジャーナリズムの頑張りが必要です。
一つの現象に対する多方向からの見方、違う切り口からみた解析や解説が必要です。
今はTV、新聞に代表されるマスコミ以外にSNSから情報がたくさん得られます。しかし、たくさんの情報の中にはフェイクニュースも潜んでいます。
情報の洪水に飲み込まれそうになります。またスマホをつかえば知らず知らずのうちに自分の好みの情報がリストアップされてきます。一定の考えに染まってしまいます。
スマホは便利に見えますが、知らず知らずのうちに自分の好みを分析されて、それに合う情報が順次提供されているのです。
使う人の嗜好を安易に解析しているのです。怖いですね。
「百聞は一見に如かず」といいますが、世界中で起きていることをすべて実体験で見ることは不可能です。
ではどういたらいいか? 自分に合った意見だけでなく、ときには全く違う意見にも触れてみることが必要でしょう。
そして、それに対して自分自身で十分に考えることが必要です。十分に考えるにはよりたくさんの正確な情報が必要です。
コラム一覧へ戻る