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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2022/06/22 

Vol.166  「ヒヨル」

執筆 名誉院長 早川富博

「ヒヨル」は日和見になるの短縮語です。学生運動時代によく使われた言葉です。
学生間の議論は先鋭化して、アジル言葉が散乱して仲間意識を共有していたのですが、それに対して否定的もしくは興味を示さなくなると「あいつは日和った」となり、次には「総括」をしろと言われます。「総括」も勇ましいい言葉でした。
「団交」(団体交渉のことですが)では、学生が大勢集まり数人の教授たちを相手に質問を浴びせかけ、気に入らない回答であると、教授たちに「自分自身を総括」しろとなるわけです。
20代の医学生が大先輩の教授陣に対して無礼な物言いをしていたわけです。多勢を背景にいたい放題でした。
今思えば穴があったら入りたい気分です。
日本赤軍の内部闘争では、「ヒヨル」と総括にかけられ反省が足りないと言われて、挙句の果てに粛清されることになったのです。
彼ら自身が空回りする思索に気が付かず、自らを洗脳した結果でしょうか。悲しい出来事でした。歴史に学んで二度と繰り返してはいけないことです。
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