小説を読み始めたのは、いつ頃からだろう。
中学時代、父親が所蔵していた「吉川英二 全集」を読んだことが始まりだと思う。
全部で50冊ぐらいあっただろうか、1冊で完結する「鳴門秘帖」をまず手始めに読んだ記憶がある。
次は当然のごとく「三国志」。当時は劉備元徳を英雄と思い、紙に「劉備 元徳」と書いて、寝ている時も見られるように天井に貼っていた。
「三国志」に関しては以前(2019年10月30日)に書きましたので省きます。
吉川英二の後は高校生になり思春期、女性の色っぽい話の瀬戸内晴美(今は寂聴さん)の小説を数冊読みました。
純文学ですが、それまで読んでいた痛快伝奇小説とは違うと感じました。
しかし純文学に属する小説については夏目漱石は「門」、三島由紀夫は「潮騒」「金閣寺」数冊で終わりました。
高校時代は兄の影響からか推理小説に突入しました。
松本清張、高木彬光、森村誠一などなど、勉強の後、寝る前に30分ほど毎日文庫本を読んでいました。お陰で近視となりメガネが必要になりました。
勉強し過ぎではなく、寝転んでの本の読みすぎでした。
松本清張氏の社会派推理小説、続く森村誠一氏の「人間の照明」「青春の証明」「野生の証明」の証明3部作は有名でありました。
元ホテルマンの森村氏の文章は簡潔で読みやすいと感じていました。
推理小説の二度読みはほとんどしないのですが、松本清張氏の推理小説はそこが深く、最近復刻出版されたものを購入して読んでいます。
清張氏は社会派推理小説から徐々に歴史小説に移行し始めて、古代史から昭和史と幅広くテーマが移ってきました。
膨大な資料から考察された書き物は歴史学者のものとは違い、とてもワクワクする内容でした。
清張通史が(6)「寧楽」(なら)を最後に途中で中断したのは残念でなりません。