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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2022/07/20 

Vol.170  「小説 読書歴③」

執筆 名誉院長 早川富博

司馬氏の題材は戦国時代、幕末から明治維新のものが多いのですが、中国に題材をとった「項羽と劉邦」もあります。
二人の個性を表現した秀作と思います。
一方、中国歴史小説といえば陳舜臣氏です。中国全史など多数の歴史小説はすべて読みました。
「秘本三国志」は当然、「太平天国」「十八史略」「耶律楚材」「阿片戦争」などなど。
「鄭成功」は明末期に活躍した日本人と中国人との間に生まれた男子の活躍を描いており、若い時代に読んだのでワクワクしたものです。
陳氏も推理小説から世に出た作家です。推理小説から歴史小説というながらがあるのでしょうか(後述する北方謙三氏はハードボイルドから歴史小説に移行しています)。

中国の歴史小説を語るには、宮城谷昌光氏を外すことはできません。氏は三河蒲郡の出身です。
司馬遷の「史記」中でも夏から始まり、殷、周、春秋戦国時代に出てくる人物を題材にたくさんの小説があります。
「天空の舟」「太公望」「重耳」「楽毅」「劉邦」「湖底の城」などなど多数あります。
しかし、宮城谷氏は筆が遅い方なので、出版された小説は幸い全部読んでいます。
緻密な解釈と記述が当初は気になりましたがだんだんと慣れてきて、今では気になりませんが昨年完結した「三国志」は12巻まであり読みごたえがありました。
数年後に読み返したいと思っています。
しかし購入してもまだ読めてないものが数冊あります。
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