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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2022/09/07 

Vol.177  「小説 読書歴 補足」

執筆 名誉院長 早川富博

小生の読書歴を書いていきましたが、対象が歴史物それも日本と中国の歴史に題材を得たものだけを記してきました。
大事な西洋を題材にした小説を忘れていました。それは塩野七生氏の「ローマ人の物語」です。
小生が胃がん手術を受けた22年前に、後輩が差し入れしてくれた1冊でした。
年1冊ずつ上梓され、全15巻です。塩野七生氏の文体には特徴があり、最初は違和感を覚えましたが、慣れていくうちに気にならなくなりました。
氏はこれ以外にローマ以後のイタリア半島の歴史、ローマ滅亡後の地中海世界の歴史、中世ヨーロッパを題材した多数の著書があります。
キリスト教と王・諸侯との権威のせめぎ合いなど、学生時代には理解できなかったヨーロッパ中世の歴史が少しは理解できるようになりました。
しかしすべては読めていないです。
一方、フランス中心の歴史作家は佐藤賢一氏でしょう。
最初の出会い書は「ジャガーになった男」でした。スピード感のあり奇想天外なストーリーに魅了されました。
その後、「小説フランス革命」が上梓され、2011年から文庫本を購入して全18巻でした。
フランスの歴史が主体で、英仏戦争、フランス王家、ナポレオン、デュマを題材したものが多く、言い回しも独特です。
氏は最近、日本の歴史にも題材を得、「女信長」、西郷隆盛と会津藩との関わりに焦点を当てた「遺訓」などもあり興味が尽きない。
まだまだ補足すべき読本がありますが、小生の連れ合い曰く「他人の読書歴を見ても誰も楽しめないでしょ!」と一言。
これで小説読書歴は終わります。
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