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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2022/09/28 

Vol.180  「電気のこと①」

執筆 名誉院長 早川富博

この春から電気料金が上がってきました。
その要因は複雑でありますが、一つには電気を作る火力発電に必要な燃料費の高騰があげられます。
3.11以来,原発停止と再稼働の議論・変遷がりました。
2018年における日本の発電の割合は、火力発電77%(石炭31.8%,LNG 38.3%,石油7.0%)、水力発電7.7%、原子力発電6.2%、新エネルギー9.2%と石炭とLNGの火力発電が主力です。
その燃料となるLNG、石油の値上がりが問題となって電気代が上がっているといわれてます。
それは燃料調整費(燃調)として電気使用料金の明細に記載されてます。
ウクライナ戦争によるロシアへの制裁のためLNG・石油の高騰が持続しているので、まだまだこの燃料調整費は増えるでしょう。
太陽光、風力、バイオマス、中小水力、地熱による発電は再エネと呼ばれ、気候変動の原因となっているCO2削減の観点から、ゼロカーボンへの政策の重要な電源であります。
しかし、その進捗状況は遅々として進んでいません。
2019年における水力発電を含む再エネの占める割合は18%であり、2030年には22~24%に増やすとの報告があります。
一方、火力を56%程度にする予定ですので、その差を原子力が埋めることになりそうであります。
原子力発電所の事故で恐ろしいことが起こった記憶はまだまだ消えていないのですが・・・
原発を再稼働するにしても、期限を明示しその間にどのように再エネを増やしていくのか?
明確なロードマップが必要でしょう。
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