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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2022/11/30 

Vol.189  「糠」

執筆 名誉院長 早川富博

稲を脱穀すると籾となります。
籾すりをしると玄米になります。
玄米を精米すると白米になります。
このときに出る薄皮が糠!
糠は栄養たっぷりです。
糠油は化粧品として利用されています。
ビタミンB群も精米によって多量に糠に写るので、白米だけを食べているとB1欠乏症になり脚気になります。
江戸時代の将軍が脚気になっていたことは有名です。
脚気心と言って一種の心不全になるのです。
明治時代になっても脚気は解決できていませんでした。
かの有名な森鴎外は、軍医でドイツ医学派でしたので細菌説を唱え軍隊の衛生管理を徹底しましたが、脚気を予防できず、日露戦争では多くの皇軍の兵士が脚気で死亡したそうです。
その後、海軍では航行するときに米食ではなくイギリス海軍を手本としたパン食にしたので、脚気の発病が抑えられたといわれています。
栄養学が発展する基礎になったといっても過言ではありません。

一方、糠と言えば糠漬け!
糠の脂質と野菜、乳酸菌と酵母の働きでぬか漬けが出来ます。
糠漬けをうまくできれば、妻の鏡!
「糟糠の妻」はいずこに?
自分で挑戦しよう。
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