MENU
green

足助病院コラム

Asuke Hospital column

2023/01/25 

Vol.197  「フレイル」①

執筆 名誉院長 早川富博

最近、「フレイル」という言葉をよく耳にします。
「フレイル」とは英語でFrail、脆弱、か弱い、もろい、割れやすい、という状態を指します。
反対語はストロングでしょうか。

介護認定でみると要支援かその少し前の状態です(図)。
すなわち「フレイル」とは、ささいなストレスがきっかけになり、介護に至る危険が高い状態のことを指しています。
一般的な「寿命(生物学的寿命)」に対して、自立した生活ができなくなるまで の期間を「健康寿命」と言います。
フレイルは、健康寿命が終わりに近づいていることを示していると言えます。
適切な心がけをすることで、十分に自立した状態を維持できることが出来ます。

「フレイル」の原因はさまざまですが、その第一は加齢です。
加齢が原因と言われると身もふたもないですね。
しかし、後に述べるように予防は出来ます。
その他の原因は、癌や肺気腫、貧血、腎臓病、慢性心不全、抑うつ状態などです。
予防は、上記のような慢性疾患を悪化させないことです。
また大きな病気がない方は予防するために、食事と運動が大事です。
食事はビタミンD、カルシウム、蛋白質(卵、肉魚、大豆、牛乳、アミノ酸ロイシン)をバランスよくとることです。
運動をすることで筋力低下を防ぐことも重要です。
運動も無理なく継続することが大事! 

次回はフレイルの多面性、とくに精神的なフレイルー抑うつ状態、認知、と社会的フレイルとの関係について。
足助病院コラム
コラム一覧へ戻る