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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2019/08/21 

Vol.20  「消化吸収」

執筆 名誉院長 早川富博

今回から食べた物の消化吸収を、食べられた物の視点から見てみましょう。
食べ物を栄養成分から分けると、米・うどん・パンなどの炭水化物、肉・魚・豆腐などの蛋白質、肉の脂身・てんぷら油・サラダ油などの脂肪の3大栄養素。
それに鉄・カルシウム・亜鉛・マグネシウムなどの無機質、A,B,C,D,E,Kなどのビタミン類があります。

炭水化物の代表であるごはん(米)は口に入ると良く噛まれて唾液と混ざります。
この唾液の中にある消化酵素のアミラーゼで分解されオリゴ糖や2単糖に分解されます。
よく噛んでいると甘くなってくるのはそのためです。
オリゴ糖や2単糖は食道から胃に入って胃酸に触れても変化しません。
十二指腸に流されてくると、すい臓のアミラーゼに曝されて、すべてが2単糖(麦芽糖:マルトース)になります。
アミラーゼは大根に含まれていることは良く知られ、「餅を食べるときに大根おろしを一緒に食べると胸焼けしない」という俗説の根拠にもなっています。

しかし、この2単糖の形では小腸から吸収されません。
最後に小腸粘膜にあるグルコシダーゼによって分解されて初めてブドウ糖となり、小腸から吸収されて血液の中に入ります。
そして体中をめぐりエネルギーの素になるのです。
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