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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2019/08/28 

Vol.21  「消化吸収」②蛋白質

執筆 名誉院長 早川富博

今回は、体の血や肉になるタンパク質の消化吸収です。
安い固い肉でも上等な柔らかい肉でも消化吸収は同じです。
口腔内では消化酵素の働きはありません。
歯で噛み切り、口腔内では舌を使って、よく噛んで混ぜて、飲み込みやすくします。
飲み込むときの塊が大きいとつかえて噎せて、時に窒息します。
大きな塊は危険です。
刺身でも同じですのでよく噛み切りましょう。歯が大事です。
飲み込めば食道が胃まで運んでくれます。
胃の中に入ると肉は胃液のペプシンという消化酵素と胃酸(塩酸)によって分解されてペプトンという液体になります。
胃内視鏡していると前夜遅くまで食事をしていた人がいますが、残っているものは玉ねぎ・にんじんなど殆ど植物性のものです。肉や魚のタンパク質は残っていません。
液体になったペプトンは十二指腸に流れていくと、やはり膵液の消化酵素であるプロテアーゼ(主にパンクレアチン)によってアミノ酸に分解されて吸収されます。
吸収されたアミノ酸は肝臓に運ばれて体に役立つように加工されます。
時にアミノ酸への分解途中である低分子ペプチドが吸収されることがあり、アレルギーの原因?とも言われます。
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