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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2019/09/04 

Vol.22  「消化吸収」③脂肪

執筆 名誉院長 早川富博

今回は、悪玉といわれる脂肪の消化吸収です。
脂肪は口腔内・食道・胃の中では消化されません。
十二指腸に行くとすい臓からリパーゼという脂肪分解酵素が分泌されて、これが脂肪を消化します。
脂肪は消化されると、中性脂肪とコレステロールに分かれ、すぐ小腸粘膜から吸収されます。
しかし両者とも水に溶けないので、粘膜内でミセルという大きな粒子になり、血液中に入ります。そこからコレステロールや中性脂肪は代謝されます。
コレステロールの一部は細胞膜の主原料となり、中性脂肪はTGとも呼ばれ、エネルギーの素になります。
同じエネルギーの素のブドウ糖より1grあたりのカロリーは1.7倍強です。
しかしエネルギーに使われる栄養素は糖が一番で、中性脂肪は2番です。
よって食べる量が多くて運動が少なく使用するエネルギーが少ない人は、吸収された中性脂肪は使われずに、脂肪組織として肝臓やお腹に溜まるのです。
中年になって醜く太るのは、食べる量が減らずに、動く量が減るからです。

一方、脂肪はうま味の成分の大事なものです。
タンパク質が分解されたアミノ酸の一部もうま味成分として重要ですが、脂身がないと・・・・美味しくない!といわれる方。
良く解りますが、食べる前に先ず自分のお腹を見てください。
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