「尊厳」という言葉は重みがありますね。
ネットで調べますと、「厳かで尊いこと」とあります。
「人間の尊厳を守る」という言葉は、人が自由に生きることができるように、その人が持つ尊い価値観や人格を尊重することを意味します。
「尊厳」のない状態とは、封建時代の階級制度のある時代によく見られました。
領主によって小作が貧しく貶められて、人の「尊厳」がない時代でした。
フランスの市民革命は、尊厳のない状態からの脱却、すなわち人の尊厳を取り戻す運動であったのです。
「平等」「基本的人権」「博愛」はフランス革命の有名なスローガンです。
これを基にそれぞれの人々の価値観を認めあうことが、人の尊厳を守ることになりました。
現在では、いじめ、パワハラやセクハラなどが尊厳を傷つける代表でしょう。
相手に対してみじめな思いを強要する状態です。
医療・介護の場でも、「尊厳」を傷つけることに通じる場面が、時にあります。
ご高齢者に接するときの言葉使いにそれが現れます。
「ごはん食べました?」「痛いところある?」「はいはい、ちゃんと聞いてますよ!」「箸の使い方が上手だね!」
患者さんに慣れてくると、丁寧語は消えて、友達言葉。
認知症がある患者には、子供をあやすような言葉が多く使われます。
人生の大先輩に対する接し方として、尊厳を傷つけている可能性があります。
または自尊心を傷つけることになります。
「尊厳」を守ることは、人として接するときの必要条件です。
目線を合わせて、丁寧な言葉で、ゆっくりと、耳元で話す。
大事なことですが手抜きすることがある自分を戒めています。