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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2023/07/26 

Vol.223 「自尊心」

執筆 名誉院長 早川富博

先回まで、「尊厳」を守ることは、基本的人権の必須条件であることを記してきました。
一方、「自尊心」という言葉があります。
自分自身の尊厳を大事にする気持ちのことです。
同じような言葉に、「プライド」「自己肯定感」などがあります。
英語ではSelf-esteem 自己評価。

「自尊心」(自己肯定感)は低すぎるといけません。
自分に自信がなく落ち込むことも多く、いじめられる対象にもなりやすいようです。
他人と比較して、自分は劣っている、出来なんだ!ダメなんだ!と落ち込みやすいですね。
「どうせやってもうまくいかないから」「どうせ俺なんかの学歴ではだめに決まっている」などと、「どうせ・・・・・」というフレーズが多いようです。

「自尊心」(自己肯定感)は社会で生きていくためには必要なものです。
最近では、自己肯定感を如何に持つか、そして、それを如何に高めるか、が教育の場面で語られています。
幼児教育での重要性が指摘されて、幼児期から出来たことを褒める、または達成できなくてもその努力を認めるなど、いろいろな方法が示されています。

しかし、褒めるばかりでは、時として自尊心が強くなりすぎて、見栄を張るなど「虚栄心」が膨らみ、社会的生活には不都合になります。
批判が耳に入らなくなると、裸の王様。誰も批判しないので自尊心の塊、虚栄心になってしまいます。
時々批判される方がまともな社会人に成れるのでしょう。

人は社会の中で生活しているので、とかく他人と比較されがちなのですが、それに惑わされると不幸になります。
社会からみてということは、いろいろな人から評価されることですから。
一つの失敗からの生じる非難を聞いて落ち込むこともありますが、他の人からは違う場面で高く評価されることもあります。
「自尊心」をバランスよく保つには、失敗をしても、反省して次に生かす。
成功して褒めてもらったら素直に喜ぶ。

ちなみに小生は、批判されると一時落ち込みますが、数日で回復します。よって自尊心の塊です!

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