MENU
green

足助病院コラム

Asuke Hospital column

2023/08/16 

Vol.226 「お盆」 綾渡の夜念仏と盆踊り①

執筆 名誉院長 早川富博

重要無形民俗文化財の「綾渡の夜念仏と盆踊り」がユネスコ無形文化遺産になった。
「綾渡の夜念仏と盆踊り」は平成9年(1997年)に重要無形民俗文化財として指定され、小生が足助病院に再赴任した翌年のことだったので良く覚えています。
祝い事であったので見学に参加しました。

平勝寺の境内には、婦人団体が五平餅を焼いてふるまっていただいて、それを頂戴しながら、夜念仏の行列を待っていました。
浴衣と菅笠をかぶった集団が、白くきれいな灯篭を先頭に歩いてくる姿は厳かであるが、悲哀を感じさせるものでした。
昔は、その年に亡くなられた人の家の前で、亡くなられた人とその家族を慰める夜念仏。

その現場に立ち会ったことがないので解りませんが、村民の助け合う気持ちが表れているものと思います。
昔はたくさんの急落であったようですが、綾渡だけが存続させたのですね。
地域の強い支え合いの精神を感じます。

そのあと盆踊り(風流踊り)が伴奏なしの歌(唱)に合わせて、下駄を地面に打ち鳴らして踊られます。
なかなか難しい踊りのようでした。
地元に病院の職員もいるので説明を受けましたが、子供の頃から踊っていないと駄目なようでした。
歌われる方の声の良さにほれぼれしたことを良く覚えています。

男性陣しか参加できない夜念仏回向と、朗々としているが寂しげな節回しに従って踊る男女の力あふれる盆踊りの組み合わせは一度見たら忘れられないものとなりました。

コラム一覧へ戻る