MENU
green

足助病院コラム

Asuke Hospital column

2023/08/30 

Vol.228 「墓じまい」

執筆 名誉院長 早川富博

わが早川家のお盆での話題は「墓じまい」である。

小生には兄が一人。ともに子供は娘ばかり(小生3、兄2)。
当然すべて嫁いでいるので早川姓を名乗る娘はいない。
早川家の墓は安城市和泉町のさるお寺にある。
父と母はそこへ入る予定である。

その後は? 跡継ぎの兄が考えるべきことであるが、お盆になると、その「墓じまい」の話になる。
今健在の両親の希望は今の墓に入ることである。
兄が跡継ぎとして二人の娘のどちらかに「墓守り」を頼むのか? どちらも嫌であろう。

両親を看取ったら、兄が自分の代で墓じまいをするしかないだろう。
祖先を大事にすることは当然です。
祖先なくして自分は生まれてこないのですから。
祖先に対して「礼」を尽くす。その方法の一つがお墓でしょうか? 

小生も父方の祖父・祖母、母方の祖父・祖母の記憶はしっかりと残っているので、理解しやすいのですが、それ以前の祖先は話しか聞いてないので実感がありません。
父や兄は数代前の親戚などのことをよく覚えていますが、それは不幸があった時の香典を出すべき人か否かを決定するのに必要な知見のようです。

核家族化が進んだ現在では親戚も遠くなりがちです。
両親の兄弟もすべてなくなっているので、墓参りに来る親戚はありません。
「墓じまい」は現実になりつつあります。小生の入る墓? 当然ありません。
釣り好きな小生の遺骨は海へ散骨してくれるように、優しい娘たちに依頼しています。

コラム一覧へ戻る