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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2023/10/04 

Vol.233 「年をとるということ」

執筆 名誉院長 早川富博

長年、足助病院で仕事をしてきました。
患者さんは高齢の方が多いと感じていましたが、
気が付くと外来の患者さんの年齢が90歳以上の人が多いことに気が付きました。
28年もお付き合いしているのですから、初対面の時、65歳(前期高齢者)だった方は、90歳を超えているわけです。

小生が50歳前の時、高齢者の気持ちが本当に解っていたかというと、疑問ですね。
想像は出来ても、本当は解ってなかったのです。
「年をとる」ということの実感がなかったものですから、仕方がないのかもしれません。
「腰が痛くなった」、「坂を上るとえらい」、「耳が聞こえにくくなった」、「視力が落ちてきたので手術が必要か」「おしっこの切れが悪くなった」、「夜中に何回も小便に起きるので不眠だ」など。
それらを聞いてもいい加減に返事をしていたのでしょう。親身になっていなかったのです。

しかし、当方もそれなりに年を重ねてきたので、会議での会話が聞き取りにくくなる、近くが見にくくなる、白髪が増えた(これは以前から)、顔のしわやシミが増えた、4階の病棟まで階段で行くと息が切れる、などの衰えを感じるようになりました。
年をとることによって、患者さんの訴えと同じことを自分自身が実感するようになってきたので、外来での患者さんの言われることに対して共感ができるようになりました。

その結果、患者さんとの話が長くなり、外来の予約時間が遅れます(これは言い訳です)。
視力低下(白内障、老眼)、聴力低下、シミが増える、筋力の低下、知力の低下(記憶力の低下)などは老化現象ですね。
これらを受け入れるか?抗するか? それが問題だ!

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