MENU
green

足助病院コラム

Asuke Hospital column

2024/02/21 

Vol.252 「人生会議」

執筆 名誉院長 早川富博

「人生会議」(ACP: advanced care plan)という言葉をご存知でしょうか?

人生の最終段階において、あなたはどのように過ごし、どのような医療や介護を受けたいか?
自分が大事にしていることや望んでいることを、自分自身で前もって考え、周囲の信頼できる人々(家族・友人)と共有することを「人生会議」と言います。
超高齢社会になり、数年前から厚労省が推進しています。
豊田市でも医師会ともに人生会議の普及啓発を推進しています。
縁起でもない!と言われるかもしれませんが、人生最後の迎え方ということは、深く考えるととても多岐にわたり、そして本人の幸せにとっても、周囲の人々(家族)にとってもとても重要です。

いざ、死を迎えるときに、何処でケアを受けるか?どこまでの延命治療を希望するか?前もっての意思表示が大事です。
意思表示ができなくなる状況は何時起きるかわかりません。
若くても自動車事故などに遭遇することもあります。

死を迎える前でも、がんに罹患した時の治療について、脳梗塞になった後の半身まひになった時の治療方針、など治療に関することの準備・決定があります。
それぞれの病気に陥った時に、治療選択が必要になります。
医師からの多くの情報を基に自己決定をすることになります。
癌の末期のような致死的な病気になった時だけでなく、誤嚥性肺炎の繰り返し、心不全の悪化、脳梗塞後遺症によるADL(日常生活動作)の低下、認知症の進行など、それぞれの場面で治療方針を決定することになります。

年を重ねれば重ねるほど、このような場面は増えていきます。
自分が大事にしていることや望んでいることを、自分自身で前もって考え、周囲の家族・友人と年に一度は話しましょう。

コラム一覧へ戻る