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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2024/03/06 

Vol.254 「薹が立つ」

執筆 名誉院長 早川富博

先日、年1回の母校(名古屋市立大学医学部)での講義に行ってきました。
医学部1年生を対象とした講義です。
医学情報学?です。
10年以上継続してます。
何故、私が医療情報の講義を?

タイトルは「ICT(医療情報コミュニケーション技術)は田舎を救えるか?」です。
田舎の病院で比較的早めに電子カルテを導入、その前から在宅医療における医療福祉情報連携をパソコンでしたり、患者さんを対象にICカード導入した経験を講義します。
タブレットを使用した「たすけあいカー」と見守りシステムの利用など、を中心に講義しています。
毎年少しずつ新しいことに取り組んでいるので、その内容が加わって、スライドが110枚以上になってきました。
取捨選択しています。講義内容はほぼ同じですが、聞く学生が毎年変わるので、心配はないようです。

地域の少子・高齢社会、人口減少による過疎、耕作放棄地の増加と獣害、教育問題(小学校の統廃合、塾通い)、交通課題、などの解決にICTが有用?という問題提起をする講義になっています。
最近では地域の中にお金を貯めるー地域経済循環の必要性も話します。

その講義のあと、女子学生との会話での出来事。
女子学生2人:「夏休みに足助病院へ見学に行きましたよ」
小生:「そうなんだ。顔を覚えてないけど、小林院長が対応したんだね」
女子学生2人:「また夏に行きます。」
小生:「来たら連絡して。飯ぐらいご馳走しますよ」
「夏や紅葉時期よりも、新緑の方が香嵐渓は綺麗だよ」
女子学生2人:「そうなんですか!?」
小生:「4月の新緑はあなた達のように輝いているよ。夏は、もう『薹が立っている』からね。」
女子学生2人:「薹が立っている、ってどういう意味ですか?」
小生:「・・・・・」
説明をしようと思いましたが、「グーグってみて(Googleで検索して)」と。

辞典を調べれば「薹が立つ」とは、野菜などの花茎が伸びてかたくなり、食用に適する時期を過ぎる。
または、盛りが過ぎる、年ごろが過ぎる、と書いてあります。
楓の4月の新緑は、人でいえば18-9歳の頃、5月は20代、6月は30代、7月は40代、8月は50代、と薹が立ってきますな・・・、といつもなら説明するのですが、セクハラまがいと思い立って説明を止めました。
最近の言葉選びは慎重にしなければ!

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