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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2019/10/09 

Vol.27  「浮腫」①

執筆 名誉院長 早川富博

これまで脱水について書いてきました。
脱水の逆、体に水分が溜まることは「浮腫」です。いわゆる「むくみ」です。
「むくみ」は皮下組織の間質(細胞と細胞の間)に水分が溜まります。
よって皺がなくなります。若返るわけでなく病気です。

よく気がつく場所は、脛骨前面(弁慶の泣き所)の浮腫です。また瞼が腫れる顔面浮腫です。
高齢になって座っている時間が長くなると脛骨前面の浮腫は目立ちます。
正常な人であれば一晩寝ればなくなります。
しかし心臓が悪くなる心不全では寝ても改善しません。治療が必要です。
顔が腫れぼったいのは、失恋で一晩中泣いたせいでは起きません。
腎機能が低下した時になります。血清蛋白質が低下しても浮腫が起きます。

浮腫の原因は、1)心不全 2)腎不全 3)低栄養(食欲低下,肝硬変など)が主なものです。
それ以外に甲状腺機能低下症で浮腫が起きます。これは特殊な浮腫で、普通の浮腫は指で押さえると凹み、指を話すとじきに戻りますが、甲状腺機能低下症では凹んだままになります。
また顔貌がボーとした感じに見えこともあります。
「ぼーっと生きている人を見たら疑いましょう」
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