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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2019/10/23 

Vol.29  「本能」

執筆 名誉院長 早川富博

「本能」

ウィキペディアによれば、動物(人間)が生まれつき持っていると推定されている、行動へ駆り立てる性質、とされている。
動物(人)は生存し種を保存するために時に攻撃的で排他的になるが、人間には利他主義などの感情があるとされています。
動物の攻撃的本能をコントロールしなければ健全な社会は成り立たない。
宗教や哲学は、排他的攻撃的本能をコントロールするのに重要な役割を果たしてきたはずである。しかし宗教は「愛」を唱えても宗教戦争に現れるように排他的であることも多い。

最近、自分だけ良ければという風潮が世界的に広まっています。アメリカの大統領ですら、対立を煽っている。思い出せば、若かりし頃の学生運動の闘士がアジっていた(上層部との対立を扇動していた)ことを思い出します。
断定的なワンフレーズで叫ぶ。白か黒かをはっきりさせる。
対立構造を明確にすることが良いことのように思っている自分にびっくりします。
対立の中にいると客観的に物事が判断できなくなっているのでしょう。対立が進むと暴力が発生します。暴力は人権無視の最たるものです。
世の中対立でなく好い加減が良いのです。

「きれる」ということを良く聞きます。自分の感情をコントロールできないのですね。
本能のままでしょうか。人への人権尊重が感じられません。幼児期、人格形成がなされる重要な時期に周りの大人たちから優しくされなかったのでしょう。
人の本能の良い所を駄目にせずに成長させるには愛情をもって育てられたという経験が大変重要なようです。
皆で学習しましょう。
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