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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2025/04/23 

Vol.313 「支え合いと個人情報」

執筆 名誉院長 早川富博

先回、大雪による停電を機に、地震、大雨、大雪などの災害時に起きると想定され、かつ生活に直結する課題に対応することが大事だと書きました。
とくに情報の共有が重要です。
災害時の報道でも、避難所にいる人々の不安の第一は、災害の情報が得られないことのようです。
とくに停電時にはテレビが見られないのでスマホを使わない高齢者には情報不足が深刻です。

逆にスマホを使用する人々の間では誤情報が拡がり不安を煽るようです。
通行止めの地域、停電の復旧状況など公的インフラの被害状況の情報はとても重要です。

しかし、人々が助け合うためには、ご近所さんの個人情報もとても大事です。
独居か?昼間独居か?歩いて避難できるか?今日はデイサービスに行っているのか?
これらは、まさに個人情報です。田舎ですとご近所さんの情報が得られている方が多いですね(時には安全対策には不必要な噂話的な情報も)。

都会であるとご近所さんのことはほとんど知ることがありませんし、知ろうともしないようです。
これではいざというときに助け合いが出来ません。
田舎のしがらみから逃れるように都会に出てきたのですから、個人情報をお互いにさらけ出すようなことはしたくないのです。
「個人情報」とは?その取扱いは?法律では難しいことが決められているようです。
人権を守る観点、人々の助けあいのための観点、両方せめぎあいでなく、ほどよい着地点の模索が常に必要です。
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