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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2026/05/20 

Vol.368 「読書」

執筆 名誉院長 早川富博

30年前に比べると、本を読む量もスピードも落ちました。

その原因は視力の低下だけでなく、大脳の理解するスピードも低下しているためでしょう。
加齢によるものと受け入れざるを得ません。

数年前、難聴の父が「耳が聞こえないから理解できないのではなく、聞こえてはいるが、それを素早く理解できない。だからあまり早くしゃべらないでほしい」と言っていました。
今思えばその通りで、自分が年を取るにつれてよく理解できるようになりました。

読む本も変わってきました。
塩野七生氏の『ローマ人の物語』から始まり、古代・中世ヨーロッパ史を題材にした歴史小説に夢中になっていましたが、今は気軽に(著者に失礼かもしれませんが)読める時代小説や警察小説を手に取ることが多くなりました。
江戸時代を舞台にした時代小説には、当時の生活風景や政治機構が描かれており、それなりに楽しめます。
テレビの「水戸黄門」や「鬼平犯科帳」のように、悪を懲らしめ主人公が活躍し、めでたし、めでたしで終わる内容ですから、気分が悪くなることもありません。

とはいえ、時には最近の直木賞や本屋大賞に選ばれた話題作も読みます。
辻村深月氏の『傲慢と善良』は、自分の心に深く刺さりました。
数年に一度でも記憶に残る小説に出会えると嬉しいものですね。
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