前回は胃カメラのことを書きました。
50年前には胃ファイバーが導入されました。
いわゆるファイバーです。
1m20cmの長さのファイバーが束ねられていて、光源から光を送るファイバーと観察するファイバーの2束と生検をする鉗子孔が直径12-15mmにまとまられて、上下左右に先端が曲がる機械でした。
ファイバーを覗きながら挿入して、がんの疑いがあれば鉗子孔から胃粘膜を生検して病理診断が可能になりました。
胃ファイバーでは接眼部にカメラを装着して写真を撮り16㎜フィルムを現像に出します。
胃カメラより解像力は向上しました。
しかし現像に1週間ほどかかるので患者さんが待つ日にちの短縮にはなりませんでした。
しかし、医師側にはとてもメリットが大きかったのです。
まず直接見ているわけですから、隣にいる医師の意見をうかがうことができます。
またサイドビューアーというレンズを付けるとファイバーの像を2人で同時に観察できるので、教育にも役立ちました。
ファイバーも初めは側視でしたが、その後直視型が出来て、ファイバーの喉越しが楽になりました。
患者さんに恩恵が出始めたのはこの頃からで、細径ファイバー(経鼻)が出現が、胃がん健診に内視鏡検査が導入されるようになりました。
それから大きな進歩は電子スコープの発明です。
CCDカメラがファイバーの先端にあって、その像が大きなテレビモニターに映し出されます。
誰でも見ることができます。
ファイバーの時代、2人しか同時に見ることができなかったのに、今は患者さんはもとより検査に関わる看護婦さん、研修医も同時に画面を見ることができます。
2人の目で見るよりも多人数で見ているほうが見落としが少ないのは当然です。
小生のように年を取った内視鏡医にとっても朗報です。
視力が低下しても大丈夫です。
しかし難点も。
皆がみることができるので、内視鏡技量―うまいか下手かー一目瞭然です。
でも研修にはもってこいです。
最近で学会でセミナーとして内視鏡技術がオンデマンドで公開されています。