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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2020/01/29 

Vol.44  「物々交換②」

執筆 名誉院長 早川富博

今、お金を払えば、欲しいものはどんなものでも手に入ります。
希少なものは高い。
昔、季節の野菜を、季節以外に口にできることはできなかった。
経済発展により、遠い海外からの「物」の輸入や、重油を炊いて温室栽培された季節外れの苺など、人間の欲望を満たす食べ物はたくさんあります。
それらを生産するには大量のエネルギー(輸送・温度制御など)を消費している。
流通によって現在の食は賄われています。それも地球温暖化の原因の一つです。
お金を稼ぐための農業と称して、付加価値の高い農産物を生産しようと政府が旗を振っています。
付加価値が高いとは、人の欲望を助長する食物を示しています。
農産物は命を健康に維持するためのものであり、お金を稼ぐ道具ではないと思います。
売るためだけに生産される季節外のものは珍重されるが、むなしいのではないだろうでしょうか。
経済的に成り立たない米作りを継続するために、お金を稼ぐ農産物の生産も必要といわれるが、成り立たない米作りを何とかする方が先決ではないかと考えます。
食べるものは健康づくりの基本です。季節にあった食物を食べるように人間は進化してきました。体はそれに合うように出来ています。
季節以外の作物を食べることは不自然です。
作物が多くできて余ったら近くで物々交換することが、エコで健康的です。
病院には余った野菜を提供できる「贈与の広場」があります。活用下さい。
食べ物の地産地消はエネルギー消費を減らし、地域の経済循環に良い影響を与えます。
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