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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2020/02/19 

Vol.47  「年寄」

執筆 名誉院長 早川富博

この年寄が、何をほざいているか! 時代劇に良く出てくる言葉です。
この時の「年寄」は腰も曲がり歯も抜けて白髪頭の老人です。
一方、大相撲の「年寄」は引退した力士が株を購入して得る地位で、若くて「年寄」と言われます。
人生50年と言われた昔は40歳過ぎれば、現役を引退して「年寄」になり、それなりに世間から尊敬されていました。
昭和の時代でも50歳を過ぎれば定年引退して、いい意味の年寄りになりました。
しかし、人生100年と言われる今日では、40-50歳はまだまだ若造です(体力は間違いなく低下しているのですが)。
「年寄」という言葉から連想される良いことは、成熟している、経験に基づいた的確な判断ができる、泰然としている、などでしょうか。
そういう意味では、50歳を過ぎても成長していない人々が散見されます。かえって幼児化しているかもしれません。
自分に都合が悪いことはフェイクニュースと切り捨てる、〇〇ファーストといって差別化する、ショートフレーズ(短い言葉)で物事を決めつけて発信する、仲良しの人としか仕事しない。
これらすべてはその人の幼児性を表していると思われます。どこかの大統領のようですね。
「年寄」は自分に都合が悪いことでも認めて対処する。短絡的な表現はしない。多様性を認め、人権を尊重して色々な人と仕事が出来る。
このような人に早くなりたい。
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