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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2020/06/17 

Vol.64  「寛容①」

執筆 名誉院長 早川富博

「贈与」は「受け取り」ことから始まり、そして「差し出す」ことによって成り立つと書きました。
「贈与」は時間的なつながりを持つ冗長性があります。
世代間を通じての教育、地域の文化(慣習・お祭りなど)もこれに当てはまりますでしょうか。
また、合理的でないことが重要でそれに対処するには「寛容」さが必要になります。
「寛容」を許さないものの中に、合理的・効率性・費用対効果などがあり、「交換の論理」を支える考え方です。
すなわち「交換の論理」の中に「非寛容」が住み、それが世の中をぎすぎすさせています。
角張ってぎすぎすした世界の中には、隙間がたくさんできます。
それを埋めるのが「贈与の論理」で、交換の論理により分断、はがされる世界を繋げるものでしょう。
「贈与」は「寛容」「冗長性」「不合理性」を包含しているものです。
「寛容」は英語では「tolerance」で「忍耐」という意味も含まれますが、すべてを受け入れると意味ではなく、「寛容」するには受け入れる内容を良く知ることが必要になります。
そのためにはコミュニケーションが必要で、根気のいる対話が根底に必要でしょう。
対話の基本は相手の話を聞くことから始まり、話の内容に同調して理解することに通じます。
よく考えてみると、これは恋愛と同じですね。
「寛容」は「愛」です。
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