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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2020/08/05 

Vol.71  「地域医療」

執筆 名誉院長 早川富博

「地域医療」という言葉が、近年ほど多用される時代はなかった。
小生の仲間たちも診療所開設のあいさつの中に必ず「地域医療に貢献すべく」とあります。
「地域医療」はcommunity medicine の日本語訳であります。
しかしここで使われる「地域」とは、単に地理的な区分、すなわち地図で行政的な区分に過ぎないように感じます。
「地域医療」でいう地域はそこで生活している住民を指し、その医療は、地域の産業や文化を含めて地域住民の生活をいかに向上させるかが理念・目標になります。
地域で生活する人々の意見を聞いて、行政とともに作り上げるのが「地域医療」です。
そういう意味からでも、病院の中にいて来る患者を診ているだけでは地域の現状やニーズを十分に知ることはできません。
患者さんの生活自体、毎日の仕事・家族構成・住んでいるところ・家庭の中・食事の内容などを十分に把握しなければ、良き「地域医療」は実践できません。
訪問診察・地域での講演会・JA祭りやサロンなどへの参加という地域住民とのふれあいがとても重要です。
コロナ禍でふれあいが制限されるようになりましたが、新しい方法を見つけて新しいふれあいを作りたいものです。
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