前回は補聴器の手入れの話でした。今回も外来でのエピソード。
外来患者さんは長くお付き合いしている人が多いので、最愛?の連れ合いに先立たれ、独居となる方も多いのです。
独居高齢者はこの地域でおよそ2割みえるようです。
やはり女性が多いのです。男性はさきに行く人が多く、また一人になると弱る方が多いようです(もちろん例外もあります)。
女性は家事に精通しているので、独居となっても日常生活に不便を感じないようです。
中には「一人の生活がこんなに楽しいとは思わなかった」言われる女性もみえます。
ある日の外来の一コマ・・・
86歳の独居の女性。
小生 「お変わりないですか?」
患者さん「いいですよ」
小生 「食べてますか?」
患者さん「しっかり食べてます」「近所の○○さんがおかずを作ってくれるのでうれしい」
小生 「○○さんも一人でしょ。近所というと隣」
患者さん「隣ではないけど、同じ部落の上と下だよ。」
小生 「それじゃ取りに行くのに大変じゃない?」
患者さん「歩いて2,3分だから大丈夫。○○さんのおかずはおいしいのよ。もう一人の人の分も作っているよ。楽しいからおかずをお貰いに行ってはおしゃべりしてくるよ」
小生 「それは楽しくていいですね。○○さんはすごいなー。食材費を払わなくっちゃ!」
患者さん「そんなことを言うと怒られる」
小生 「それなら畑でとれた野菜を差し入れするんだね」
患者さん「そうそう」
同じ集落の独居生活を助け合って楽しんでいる様子がわかる、心温まるお話でした。贈与の精神で助け合う!
お金は大事だけど、お金じゃないんだ世の中は!