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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2020/10/28 

Vol.83  「食べられなくなること」

執筆 名誉院長 早川富博

食べられなくなる原因は種々あります。
口腔から順に、アフタ性口内炎、咽頭炎、食道炎、食道がん、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、
肝硬変、すい臓がん、がん性腹膜炎、大腸がんによる腸閉塞、など器質的疾患がまず考えられます。
それらが諸検査で除外されると、神経的な疾患が考えられ、いろいろな薬が処方されます。

一方、脳梗塞後遺症、パーキンソン氏病、認知症、心不全、腎不全などの末期にも食べられなくなってきます。

しかし、このような基礎疾患がなくてもご高齢になると徐々に食べられなくなってくることはよくあります。
食べられなくなると衰弱して、そのままでは脱水から低栄養、腎不全となり死に至ります。

器質的疾患がないのに、食べられなくなったときにどうするか?

一時点滴をして、食欲が戻るのを待つ。
末梢から(腕や足の静脈)の点滴が出来なくなれば、太い静脈にカテーテルを留置して高カロリー輸液をする。
それでもだめなら経管栄養をする。
それには鼻からチューブを入れて栄養剤を注入する。
それは誤嚥性肺炎を起こしやすいから胃瘻を作成する。

以上のように、食べられなくなった時の治療法はいろいろありますが、その原因を良く見極めて決めていくことが大事です。
延命だけの栄養補給は考えねばならない時期に来ていると思います。
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