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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2020/11/04 

Vol.84  「両親のこと①」

執筆 名誉院長 早川富博

核家族化で老人世帯が増加しています。
小生の両親も、息子は2人いますが、老人世帯です。
両親のことを書くのは気が引けますが、皆様の参考になればと思い披露します。

小生の両親は今も健在です。
父は97歳と半年、母は93歳と半年、典型的な老人世帯として40年以上過ごしています。

しかし、数年前に母が狭心症でPCI(冠動脈にステント挿入)後、胆石発作などを併発して、
徐々に不眠とともに種々の訴えが増えてきました。
それに伴い、眠剤や安定剤の服用が増えて徐々運動機能が低下してADL(日常生活自立度)も悪化。

その結果、転倒してしりもちをつき、胸椎圧迫骨折で入院。
さらにADLは低下し、2年前からは、母の移動介助と、ほとんどの家事を父がするようになりました。
1年前からは料理を作って母に食べさせるようになりました。

朝食は全粒パンにバター、ベーコン、刻み海苔などを載せたトーストを2人で1枚、歯が悪いので2㎝四方の大きさに切ります。
次に、ゴマ・黄な粉を混ぜたヨーグルト、温野菜、牛乳があり、最後はフルーツです。
バナナは半分ずつで5㎜スライス、ブドウは種無しを半分に割ったもの6~7個、キウイフルーツも5㎜スライスしたものを5~6個。
バナナ以外はすべてプラスチック容器に前もって用意されて冷蔵庫にあります。

昼は配食サービスされたものを2人で分けて食べ、夕食は母のために雑炊を作っています。
ごはんを50gずつに小分けしてラップに包んで冷蔵庫に保存されています。

父は本当にこまめに、母の食事の面倒を見ています。
ある時「食事を作るのが大変でしょう。」と聞いたら「そうだな。食事の用意がこんなに大変だとは思わなかった。
しかし女房(母のこと)は何十年と俺のために作ってくれたからな、1~2年のことは何でもない」
小生は返す言葉がありませんでした。

つづく…
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