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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2020/11/11 

Vol.85  「両親のこと②」

執筆 名誉院長 早川富博

先回は、父が母の食事を作り面倒を見ていることを書きました。

料理を作るのに工夫が必要ですが、母の好き嫌いがあるので難渋しているようです。

しかし年を経ると、嗜好も変わるのでしょうか。
昔は甘いものを食べると胸が焼けると敬遠していたおはぎを、母は食べるようになりました。
父もしかり。
小豆の美味さが好みになってきたようです。

小生も同様で、65歳を過ぎてから餡子の美味さがたまりません。

最も父は90歳を過ぎてからですが・・料理の中身も考えるのは大変です。
父は雑炊の中身に苦労しているようです。
卵、鶏肉、野菜などなど。
卵が基本のようですが、鶏卵だと多すぎていけないので、ウズラの卵にするなど、食材と排便との関連に気を使っているようです。

食事に関してのもう一つの気がかりが、入れ歯の具合です。
年を取ると歯が悪くなります。
虫歯、歯槽膿漏、いづれにしても歯がなくなります。
当然、入れ歯を入れるわけですが、不具合が多いようです。
両親ともに入れ歯を愛用していますが、母の方は、上の入れ歯がすぐ外れるようです。

以前、入れ歯は自分で手入れしていましたが、この数か月は、外れると父が洗って、またはめることをしていました。
この作業が1回の食事中に2~3回起こるのです。
とても大変です。
上の入れ歯は舌で押さえつけたりして自分で始末できそうに思うのですが、父の介護に慣れた母は、すべて父に依存しています。
入れ歯の不具合を治すために歯科医を変わりましたが、ここでもひと悶着。
いい入れ歯を作るには、時間もかかるし、歯科医と患者の良好なコミュニケーションの必要があります(これは内科医も同じ)。
出来上がるのに4回の診療が必要でした。

つづく…
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