MENU
green

足助病院コラム

Asuke Hospital column

2021/01/13 

Vol.93  「これからの地域医療①」

執筆 名誉院長 早川富博

地域医療という言葉はよく聞きます。
しかし地域医療の定義は曖昧です。

診療所を開院される先生の挨拶状に必ず「地域医療のために」という言葉がみられます。
地域医療の地域が問題です。
ふつうは各県下で定められた医療圏と考えられています。
この行政区単位で分けられた医療圏は、医療提供体制を決定する基本になっていますが、実態に合っていないことが現状です。

その医療圏人口も大きく異なり(例えば東三河北部医療圏の人口は5万人と県下で一番少なく、名古屋市・尾張中部医療圏250万人)、
それに見合い、市場経済に委ねられた現在の診療報酬体系下では、医師数・医療機関数の偏在は大きい。
すなわち都市部に医師数・医療機関は集中し、医療サービスの機会平等性は失われています。

とくに市街地(人口密度が高い)と田舎(過疎)との差は大きくなる一方であります。
過疎と高齢・少子の先進地区である三河山間地にある足助病院の存続の危機が迫っています。
過去・現在の課題を考え、未来の地域医療のあるべき姿を述べたいと思います。

つづく...
コラム一覧へ戻る