地域の課題は、当然、地域によって異なるので、その解決方策も同一ではありませんが、少子・高齢社会は現実であります。
出生率が2.0を切る現状のままでは2050年には日本の人口は8,000万人台まで低下すると推定されます。
人口減少は地方から(特に山間地から)始まり、都市部に及びます。
人口減少が問題ではなく、その減り方のスピードの問題です。
地域の課題を把握するには、その地域の人口と年齢構成、各疾病罹患率、死亡原因、要介護者数、医療・福祉・介護の提供サービス量などの把握が必要であり、
そのためには行政との連携が必須であります。
これまで世界に自慢できる医療保険制度を持ちながら、日本では各種疾病罹患率などは正確に把握されていません。
北欧では糖尿病患者はほぼ全員登録されており病状・治療内容の経過を追うことが出来ます。
日本ではがん登録が必須化されているだけで、糖尿病患者の推計しかありません。
ましてや経過を追うこともできません。
データ解析ができない状況では、疾病予防の対策も立てられません。
医療は、目の前の疾患治療が主たる仕事ですが、将来的に見れば健康維持・健康寿命の延伸が目的である考えます。
現在の医療・介護診療報酬体系では、地域の人々が健康になれば、医療機関を利用することが減り、結果として病院の経営は困難となり、
逆に、地域の人々不健康であれば、病院が存続しやすい、という大矛盾が存在します。
これからの医療は、疾病治療重視の医療から予防医療重視への転換「健康づくり」と「地域づくり」がリンクすることが重要と言えます。
つづく…