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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2021/02/03 

Vol.96  「これからの地域医療④ ~現在の課題 その2~」

執筆 名誉院長 早川富博

医療の中核を担う病院の役割はどのように考えればいいのでしょうか?
当然、病院規模によってその役割は区別されことが必要です。
昔のように、取りあえず何でも受ける総合病院ということはできません。

豊田市のある西三河北部医療圏を例にとると、豊田厚生病院、トヨタ記念病院は
地域中核病院として、高度急性期と急性期の患者さんを中心とした診療を行います。
夜間の救急診療の受け入れも中心に行います。
大勢の研修医と診療スタッフがみえる病院が救急を受け入れることが出来ます。

足助病院のような地域の中規模病院は、一般外来診療、ぼちぼちの急性期医療、
慢性期医療、介護保険領域を含むいわゆるケアミックス型となることが必要です。
ぼちぼちの急性期医療とは、内科でいえば、心不全、肺炎、栄養障害、糖尿病のコントロールなどで、
整形外科的には骨折、骨粗しょう症、泌尿器外科では前立腺肥大症、前立腺がん治療の継続、
眼科では白内障の手術などがあげられます。
慢性期は包括ケア病棟を利用したリハビリ、介護医療院におけるレスパイト入院などがあります。
図が、これから目指す地域医療構想であると考えます。

この中に医師研修制度も同期することが重要で、地域のいわゆる中核病院(マグネットホスピタル)と
地域の中小病院・診療所間での医師の人事交流(研修医の派遣、専門医の外来診療)が必須であると考えます。
これによりお互いの診療内容が把握できるので患者さんの紹介・転院などがより円滑にできるようになります。
現在も足助病院には、豊田厚生病院、トヨタ記念病院から医師の派遣を受けております。

つづく…
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