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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2021/02/10 

Vol.97  「これからの地域医療⑤ ~現在の課題 その3~」

執筆 名誉院長 早川富博

では在宅医療はどうなるであろうか?

政府は在宅医療の増加を推進しようとしています。
その考え方のもとになっているのは高齢者に対するアンケート結果です。
多くの人は住み慣れた我が家で療養したいと答えます。

在宅医療には医師、看護師、理学療養士、介護福祉士、ケアマネージャなど多職種が対応します。
その担当者間での情報共有が重要になります。
これらの人々は家族以外であり仕事として関わります。
しかし、在宅療養(医療)継続するのに必要なものは家族です。
独居でも"在宅医療"24時間体制も可能とされていますが、ヘルパー、看護師不足の中でできる可能性は非常に少ないのが現状です。

これまでの調査でも、在宅療養から在宅死に至るにはキーパーソンとその援助者が必須という結果でした。
しかしながら、"世帯の変化"すなわち核家族化により、在宅医療を支える家族の参加は難しくなっています。

子供夫婦と同居すると嫁・姑の問題が起きるから、夫婦単位の生活の方が気が楽でいいよ、と考えて二人世帯が増えています。
ふたり生活に支援が必要になったときに同居するというのは、それまでの生活も異なるので大変難しいことになります。

それではどうしたらいいのか?

家族によるケアより、地域でケアするという考え方があります。
すなわち"地域の中にケアする場所"特別養護老人ホーム、グループホーム、ケアハウス、通所のデイサービスを作ることです。
主に施設で生活、時々自宅、もしくは自宅で療養、時々施設を利用するという考え方です。
地域は中学校区単位が考えられており、これが地域包括ケアの形です。

つづく…
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