MENU
green

足助病院コラム

Asuke Hospital column

2021/02/24 

Vol.99  「これからの地域医療⑦ ~遠未来~」

執筆 名誉院長 早川富博

これから30年後(2050年)の遠未来では、医療の進歩は目覚ましく、
遺伝子診断、遺伝子操作、iPS細胞などを使った再生医療が常識となっている可能性があります。
これら最新技術を駆使した治す先端医療が隆盛となるのか、病気にならない、病気の進行を防ぐという予防医療が重点的になるのか?
それはこれからの人々の考え方によって決まるのでしょう。
先端医療が誰にでも適応されるという世の中は想像できません。
経済的に豊かな人は先端医療を享受できますが、だれでも保険医療で先端医療が受けられると想像することはできません。
経済格差が拡がると推測される未来では、公的医療は、やはり生活習慣病治療を中心とした予防医療が主体になっているでしょう。

一方、一定の地域の消滅と残った地域の再構築が起こるでしょう。
その過程の中で、病院や医療機関だけが存続するということはありえないでしょう。
医療・福祉の目指すところは、予防医療を前面に押し出した、地域づくり・街づくりへの積極的な参加が重要となると考えます。

病院の存在する意義は、持続可能な地域になるように貢献することであり、以下の17項目あるSDG’sを、どれだけ実行できるかでありましょう。

1. 貧困をなくそう
2. 飢餓をゼロに
3. 全ての人に健康と福祉を
4. 質の高い教育をみんなに
5. ジェンダー平等を実現しよう
6. 安全な水とトイレを世界中に
7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
8. 働きがいも経済成長も
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
10. 人や国の不平等をなくそう
11. 住み続けられるまちづくりを
12. つくる責任使う責任
13. 気候変動に具体的な対策を
14. 海の豊かさを守ろう
15. 陸の豊かさも守ろう
16. 平和と公正をすべての人に
17. パートナーシップで目標を達成しよう

今いる地域の中で、地域の存続に果たせる役割を、医療を通じて実行することが、
地に足の着いた(地域に立脚した)地域医療であると、深く思います。
コラム一覧へ戻る