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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2020/10/06 

Vol.102  「新型コロナウイルスに負けるもんか」

執筆 足助病院職員

診療協同部長兼薬剤部長 野村賢一

いつもバカばかり言ってくすくすとみんなを笑わせてくれる優しい存在だった志村けんさんが急逝された。
NHK番組の連想ゲームで若い頃よく観た賢くてお茶目で笑顔にあふれる岡江久美子さんも新型コロナウイルスによって残酷なことにこの世界からあれよあれよという間に連れ去られてしまった。
この感染症の恐ろしいところはこうやって不意に大事な人をこの世界から奪い去ってしまうことである。
志村けんさんも僕の好きだった岡江久美子もお茶の間にはもういない。この悲しみと損失は日本人にとって大きな教訓であろう。
収束の兆しが見えないのだから、自分たちの家のお茶の間でも起こり得ることなのだ、と肝に銘じよう。
ところで先週のことだが、僕はインスタントコンロ、インスタント食器、牛ステーキ、鶏肉、ニンジン、玉ねぎを持参し海釣りに行った。
使い捨てのバーベキューセットをもっての魚釣りは初めての試みだった。
釣り糸を磯の間に入れる穴釣りでタケノコメバルを2匹釣った後、ちょっとした岩場の平らなところでインスタントコンロに火を点け、バーべキューをする。
釣りたての魚を炭火で焼くと硬かった身がふわふわとなりバカっと開く。その身を箸でつまみ口に放り込む。
そして、牛ステーキも野菜も焼き、エビスビールでのどを潤した。海辺のバーベキューのなんておいしいこと。
潮騒の中で魚と肉の底力みたいなものを見せつけられただ舌を巻くしかない。
腹ごしらえした後は今晩のおかず目当てにもう一度釣りに集中する。無心になって魚のあたりを待つのである。

このように「3密」を避け、「疎」で人生をエンジョイする。それは新しい生活様式の一つ愉しみ方だ。
Go Toトラベル、Go Toイーツ、Go Toイベント、Go To 商店街の4つのGo Toキャンペーンで、政府は消費喚起を促し経済再生に躍起になっている。
しかしそれも大切だが、こういう時期だからこそ新たな希望を見出していかなければならない。
一人称でも愉しめることをどんどん実行し、僕は秋風のそよぐ中で、新型コロナウイルスに負けるもんか、と声高に叫んでいる。     
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